LD教授の贈り物

LDとは 家族の健康
Learning Disability

John HainによるPixabayからの画像

 

2019年初めに末男の自閉スペクトラム症が判明してから、しばらくは何をしてよいかわからず、ましてハナの受験もあって放置していました。けれど、生活が落ち着いて通級教室に通い始めたのを機に発達障害全般についても知識を得ていきたいと感じました。

発達障害は症状が1つとは限らず、末男もLDも持ってるね!と、支援級の先生から言われました。(日々の宿題や公文の進捗具合から私にも判るほどのLDです。)

ただ、LD(Learning Disability)は知能とは別に読む・書く・計算する・推論を立てるなど特定の技能に不便を感じることですが、末男は知能そのものに違いがあるのか、視神経なのか聴覚なのか、この書籍を読み終えてから「まず、一度医療機関で調べてもらわなければ判らないな。」という結論に達しました。その先に、克服していく工夫なのか伸ばしてくべき個性なのか見極められるのかもしれないと。

 

自称LD気味の教授?

最初にこの「LD教授(パパ)の贈り物」を手に取った時は、自身がLDの方のLD博士なのかな?と思いました。あながち間違えではありません。

このLD教授・パパは自身の変わった個性をうすうす感じつつも、得意な部分・好きなことに熱中して成長することができた方、上野一彦氏が書かれた本です。上野氏が育った環境は、どうやらLDを疑われている上野氏の父親と明るく地域や家族に愛される母親と友人たちに恵まれ、東大に進学され、教育学部の大学院を卒業されました。早くからLDやADHDについての研究やサポートの必要性を訴え尽力されている方です。

 

東大生に発達障害(自閉スペクトラム症アスペルガー症候群)が多い噂

上野先生はご自分でそういう傾向の生徒だったことを明かしています。うちのハナは残念ながら現役での東大入学にNOと言われてしまいました。けれど、ハナの友達で東大に現役合格した子を思い浮かべてみましょう。とっても効率よくサラりと勉強をこなす器用タイプと、やはり一風変わった天才タイプに二分されますね。半々ぐらいです。

ハナは頑張ったけど到達ならずっ!というような、割と一般的なタイプではないでしょうか。

実際受験当日ハナを東大の正門まで見送った時、受験する同胞たちを見てなにか違和感を感じずにはいられません。頭のいい人たちって、変わってる・・・・。が率直な感想です。(負け惜しみかな?と、いつも自問していますが、受験当日の率直な感想ですから。)

実際Twitterなどでは、東大生が25%はアスペルガーではないか?などという書き込みが後を絶たず、東大の学生相談ネットワークでは発達障害の相談も受け付けている旨が記載されていることをみると、割合は判りませんが一定数いるのだということが推測されます。

東大から社会に出た後の人生は判りませんが、それでも発達障害で勉強に突出した才能があったならば、ある種希望の星ですね。

偉人に発達障害が少なからずいるという事実

通級教室の入学式?らしき懇談会があったのですが、先生方は「アップル創始者の一人、スティーブ・ジョブズをはじめ、エジソンやアインシュタインなどの偉人も発達障害でした。」と私たち困惑した保護者に対して希望ともいえるお話をしてくれます。

彼らが発達障害のどのカテゴリーにいて、どんな経緯をたどったのかはこれから勉強したいところではありますが、ギフテッドと呼ばれる吐出した才能をもっていることはうかがえます。

発達障害の新米母

私、くらむぽんは末男の成長には常に疑問符が付きながら小学2年生まで過ごしてきました。「言葉が遅い」「赤ちゃんぽい」「指示が通らない」「運動神経が極端に悪い」など、いろいろです。

しっかりと末男の発達障害を確認してからは間もないので、「発達障害の新米母」を自称しています。幼い頃から、お姉ちゃんやお兄ちゃんはもうできたはずなのに。から始まって、同い年の○○君はこうなのに。とか、保育園の2つ下の子でさえこんな話をするのに。なんて、子育ての上では禁じ手とされる「他の子との比較」の毎日です。

発達障害の中で分類分け?!

通級教室に通い始めて、初めて他校の発達障害を持っているかもしれない数人の子ども(同学年)とコミュニケーションスキルを向上させるクラスに参加した時に、私の脳裏をよぎったのは紛れもなく『子どもの比較』です。

実際、同じ傾向の友達やそのお母さん達と会えることを楽しみにしていました。同じ悩みを共有できたり、一緒に努力できたりしたら心強いと思っていたからです。

けれど、私は結局「この子は末男より知能が高いな。」だとか、「この子はきっとADHDでこの子はアスペルガーかな?」とか、しっかりとした知識もないのに通級のクラスの中で分類分けやできることを比較している自分にがっかりしました。

全く、自分に心底がっかりしちゃいました

発達障害の偉人に嫉妬?!

同じように、最初にこのLD教授(パパ)の贈り物を読んでいるときに頭をちらつくのは、この方はそうはいっても勉強ができて社会で成功している人だ。という事実がいつもチラついてしまいます。完全に嫉妬です。その気分になると、自己嫌悪が強くなって不快なのですが、実はこの本はそんな自己嫌悪も吹っ飛ばすくらい面白いのです。

LDやADHDなどをはじめとする発達障害とは無縁の人々にも、おもしろい小説だと読んでいただける一冊です。実際、私もケラケラ笑いながら読んでいました。

上野氏の面白いエピソードや普通でないところは、一つの個性。そして、その個性が極端に突出したのが発達障害なんだと思いました。

LD偉人伝

アガサ・クリスティ、ハンス・アンデルセン、ルイス・キャロルと聞けば推理小説をはじめ、物語やファンタジーを作り出した偉人です。ただの偉人ではなく、この方たち実はLDという共通点があるといいます。

末男はよく「アルフィック星」の話をします。唐突に「アルフィックではね、前歯が金色のルイスがいて・・・・・」と、アルフィックの話が永遠と続くのです。我が家では有名な『アルフィック』ですが、実は全くの末男の作った世界なのです。こんなところにも、もしかしたら末男がたどるかもしれない可能性があるのでは?!という気になってきますので、あながち発達障害の偉人を知ることは慰めだけでなく、個性を知るきっかけになるかもしれないと思い始めました。

普通の人も発達障害の人もみんな違ってみんないい

末男は生まれた時からずっと末男で成長してきました。これからどんなふうに成長するのか、もの凄い不安と可笑しい気持ちでいっぱいです。でも、金子みすゞさんのいう「みんなちがって、みんないい」と思えるようなお母さんでいたいな、と心から思っています。

他と比較することなく、末男の個性を見つめて成長するのを見守っていけたらと願います。

本書の一文に私にとって切ないところが

他人を意識する愛、比較する愛は、自分の思い通りにする愛、支配する愛であり、見返りを求めない無償の愛とはちがうのである。

LD教授の贈り物より抜粋

LD教授パパのまとめ

LD教授(パパ)の贈り物
LD教授(パパ)の贈り物

著者である上野氏の日常をお腹を抱えながら読み進めてみれば、末男の今の生活のそこかしこが、これからの成長が面白さで溢れているようにしか思えません。

自称LDとはいえ知能も高く、大変な知識をお持ちの上野氏が世間にLDやADHDに対する理解を促し、また発達障害を持つ人たちへの教育への支援に多大な貢献をしていることは疑いようもありません。この『LD教授(パパ)の贈り物』も発達障害の人々だけでなく、幅広い層に読まれて隣の席に座っているかもしれない発達障害の人への理解を促す良書だと思いました。

「末男は普通じゃないのでしょうか?」

末男を育ててきて、もの凄い頻度で心をよぎった言葉です。口から洩れてしまったこともあるかもしれません。

この本の中で普通についての一節がありました。

普通とは70%にあてはまる多数派のことをいうそうです。

毎日逆立ちで登校してくる人が70%を超えたら、それが普通です。とはいえ、70%の多数にいつも数や発言力で負けてしまうのが少数派。集団生活の中で今後どうやって少数派の個性を守り伸ばしていけるかが課題です。

 

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